くずblog

88年生まれ。鬱病と仲良く生きているくずのブログです。ブラックSE→傷病手当→ナマポ→雑用係として社会復帰。

鬱の朝の体調と電車について

けっこーみんな知らないけど、あの朝の感じは鬱の最大の特徴の一つだ。

だからみんな通勤ラッシュにも関わらず電車にダイブしちゃうんじゃないか?

 

鬱のときは、まず朝起きれない。すげーだるくて。

というか、起きたとしても動けない。そう、動けない。結果、ベッドにずうっといる。

完治してから気づいたけど、これって結構ヤバいし、異常だよ。

 

俺の朝はこんな感じだった。

 

朝、サラリーマンと同じ時間帯に目が覚める。勤務してたときもナマポのときも。

でも、驚くほど気分がダウナーで、起きる気力が皆無。

朝?だから何?ああ、うぜえ、くっそ、ちくしょう、、うう、もうやだ、、zzZZZ

こんな感じで再び寝る。

 

健常者でいうなら、風邪をひいたときの感じと同じだ。

朝ごはんなんて食う気力湧かないし、トイレに行くのでさえ一歩一歩が重い。

あんな感じだ。実際に微熱くらいなら出る患者も多い。

 

怒っても無駄だ。健康に気を付けろとか言うのも無駄だ。ウィルスなしで風邪をひくのと同じなんだから。

 

無理に起きても辛いだけだ。立つのも歩くのも辛い。

どこかぼんやりしていて、何も考えられない、考えたくない。

絶望しかない。明るい未来なんてない。

とにかく今週を乗り切ってまた寝る。それしか思いつかない。

 

でもそんな毎日を過ごしている自分にふと気づく。

そしてこんな考えがよぎるんだ。本当に。

 

電車がすごいスピードで走っている。電車は俺を会社に運ぶ。

電車は車よりもパワーがある。電車は満員で苦しい。

電車は10分も待たずにやってくる。電車は揺れて不愉快な場所だ。

電車は機械だ。

電車はただ走って、止まるだけ。

ただの作業だ。

 

俺はただ、身を投げるだけでいいんだ。

 

もう、なにもかも疲れた。

死んだあとのこと?はあ?老後どころか明日の希望さえないのに?仕事?恋人?

知るか知るか知るか知るか知るか知るか知るか知るか知るか

 

俺は何度かこの現象に襲われた。冬なのに汗をぐっしょりかいて、ガチガチ震えていた。それでも、会社のルールに従って、俺は通勤した。が、

 

とうとうその日が来た。俺は決心した。

というか完全にすべてに諦めたのだ。死ぬというか、「諦め」。

 

瞬間、目の前がまっくらになって倒れた。

救急車が来て会社に連絡が行き、俺は無事「保護」された。

 

生きててよかったと思う。

でも貧血にならなければ、どうなっていたかわからない。

誰だって心病むんだよ!!

課長、自分、鬱病になりました。

と言ったのは新卒で入社して7ヶ月目のことだった。人通りの少ない、奥の方の会議室だった。

で、そのとき何度も聞かれたのが俺のメンタルの弱さについてだ。

「お前、意外と繊細なんだな」

「いじめられた経験とかあるの?」

「お前さ、部活とかやってた?運動部?」

「今までつらい経験とかあった?」

「親御さんは優しいの?」

 

遠回しに、「お前は元々メンタルが弱いタイプなんじゃないの?」「お前の過去に欠陥があるんじゃないの?」と聞いてくる。

はぁ?

俺だってつらい経験、人間関係で悩んだ経験、死ぬかと思った経験あるわ!

 

鬱は、いつ誰が罹ってもおかしくない病だ。

 

昔は日本では100人に1人くらい、と言われていたけど現代では100人中15人は何らかの鬱症状を持っていると言われている。

ひとつのチーム、ひとつのシマに1人くらい普通に鬱なのだ。気づいてないだけで自殺しそうな人や、すでにクスリを服用してる人もいるのだ。

 

ちなみに。俺はふつうの人間だと思う。メンタル弱くないし、過去に欠陥とかない。

中高と運動部、県大会レベル。友達は多くないけどスクールカーストでは中。

偏差値もふつう。恋愛経験あり。容姿はふつうかな?家族不全なし。

中学卒業からバイトをしている。仕事で問題を起こしたことはない。むしろ勤務態度は良いほうだった。

 

正直、客観的に考えて過去に欠陥があるとは思えない。元々メンタルが弱いとも思えない。

上司よ、あんたが悪いんだ。

 

いや、違うか。

鬱が風邪みたいなもんなら、誰も悪くないのだ。

 

だから俺のことを責めないでほしい。俺のことを蔑まないでほしい。

あんたの言葉は傷に塩を塗りこむみたいにすごくシミて痛いんだ。俺を否定しないで。

一発目の鬱はすぐに克服した

俺が鬱にやられたのは2007年の冬。

バイト先の塾で授業中に吐いて動けなくなって、そのまま「鬱」判定くらった。

 

でもその後もすぐに仕事に復帰した。

一人暮らしだったので、働かないという選択肢はなかったのだ。

正社員だったら有給とか社会制度も使えたかもしれないけど、学生だったし。

 

というわけで、抗鬱剤を飲んで出社。

毎日食後に5錠のクスリ、加えて授業の直前には頓服薬でクスリずぶずぶだった。

 

でも今思えば、ちゃんと働いてて偉いと思う。俺はその後生活保護受給者に成り下がるんだから。

 

問題は、月イチの保護者へのレポートや電話の問合せ、保護者面談なんかだ。

俺は間接的にも保護者に触れるのがダメだった。少しでも嫌な評判を耳にすると、すぐに熱を出し、次の日は大学に行けなかった。

 

具体的には、38度程度の熱が出て、めまいで動けなくなる。立つと吐く。解熱剤は効かない。どうしようもないでしょ?

 

バイトはいくらでも探せたが、生徒たちを捨てるわけにはいかなかった。

あいつらには受験がある。いろいろ教えてやったし、ちゃんと成果も出ているんだ。しっかり合格させなくちゃいけない。

 

そんな風に葛藤しながら、俺はクスリでごまかしながらなんとか生き延びていた。

 

そこを支えてくれた彼女の存在は大きい。動けない俺に、いつも食べ物や飲み物、クスリを与えてくれた。ときには玄関で倒れたままの俺をベッドまで運び、服を着替えてくれた。

俺から電話しなくても、「おかしいな?」と思ったらすぐに駆けつけてくれた。

よくやるよ。逆にお前、大丈夫かよ?

 

でも愛情ってのは本当にすごい。結局、1ヶ月分のクスリを飲み終えずに俺は克服した。

保護者とは距離をとり続けたし、絶妙に手を抜いていたけど、ふつーに働けるようになった。

「ハッ!なんだ、鬱なんて甘えじゃないか!」とすら思った。このときは。

Tehu君をいじめないでほしい

Tehu君はまだ子供だ。

それ以前に、ふつうに人間なのだ。

 

能力があるからとか、調子に乗ってるから、悪いことしたから…って因縁つけてあんま関係ない人たちが寄ってたかってTehu君をボコってるのを見るのは辛いよ。

 

だって、彼はただの学生でしょ?親御さんや友だちがいて、これからの進路とかもいろいろあるわけで。そんな繊細な時期の人間に対して、軽々しく言葉のナイフを突きつけるのはどうかと思うぜ。

 

彼をいじめることで彼の人間関係が壊れたり、彼自身が壊れちゃったりするんだから。

お前ら、会ったこともない少年を葬りたいの?

 

無責任にお気軽にナイフびゅんびゅん振り回して脅かすのはよくねえよ。危ない。

 

だからさ、本質的な問題ってどっかにあるんだろうけど、それと個人は切り離して批判すべきだと思うよ。特に今回みたいな、「いじったら面白そうなやつ」が絡んでいる場合は。

 

Tehu君、たくさん批判されるだろうけど、問題の本質に関係ないものは容赦なくシャットアウトしていいんだ。軽い気持ちで言葉のナイフ投げてくるやついっぱいいるけど、弾いたらよろしい。

 

とりあえず、Tehu君はゆっくり考えて消化したらいいと思うよ。

だから大人なみなさんは上手に示唆を与えてやりましょう。いじめたりせず。

ほんと。誰かの善悪を裁く以前に、いじめ、ダメ、ゼッタイ。

鬱の俺が言われてムカつく5つの言葉

結局、決めるのはあなただから

じゃあ最初から何も言うな。ぐだぐだ言っといて無責任に突き放すな。あんたは最後にそういう一言を付け加えて逃げ道つくってるだけだ。

それに、言われた側としちゃあ、けっこう悲しい言葉だぜ。

 

私くらい歳をとるとね

変わんねえよ。何も学ばなきゃ子供も年寄りも変わんねえんだよ。

ちゃんと論理的に説明してみろよ。マトモな説明もできないくせに「これだから若者は」みたいな感じで話そらすのやめろよ。

 

かわいそう

うるせえ。鬱というだけで下に見てんじゃねえよ。「あー、そーなんだーウンウン、かわいそう…」って同情しつつ見下してるかんね。差別してるかんね。

…他人ごとだもんね。

 

鬱は言い訳にならない

俺は言い訳なんてしてねえよ。ただ持病を伝えてるだけだ。

じゃあさ、女だからとか子供がいるからとかパソコン詳しくないからとかそういうのもやめてくれよ。

むしろ、俺がただ体調不良なのをお前らが「鬱だから」って理由付けしてんだろ。

 

メンタル弱いの?

ちげえよ。関係ねえよ。鬱=元々ちょっと変な人、みたいな思い込みやめろよ。

だいたい、メンタル弱かったら何なんだ。みんな弱いだろ?誰だって壊れる可能性は常に持ってんだよ。だからちゃんと協力しなきゃいけないんだ。精神疾患とか関係ない。

 

 

 

もーーーーーほんとにやめてくれよ。余計なことしねーで普通に接しろよ。

そんでちょっと心に余裕があったら相手のハンディキャップや得手不得手くらい心得てやればいいじゃないか。障害があるからとか関係なしに、ふつーの人間関係のキホンだろう?

見下すな、逃げんな、自分と切り離すな、余計に踏み込むな、紳士淑女として向き合え。

人の感情って伝染しちゃうよね。鬱が伝染ったときの話

彼女ができたら鬱が治った。気づいたら1年以上診療内科に行ってなかった。

もう全部終わったと思っていた。

 

その頃、俺はサークルのリーダーになって、50人くらいの後輩をまとめるようになった。毎日のように人間関係のトラブルが発生しては、俺が問題解決に当っていた。

 

俺自身、パワハラをして鬱になった経験から、誰もが被害者加害者になりうると考える。

悪いことをしたヤツが逆に非難されて鬱になるし、当事者はなんとも思ってなくても、見てた第三者が気分を害することもある。

 

だから、サークル内でAとBがケンカしたときには、どっちが悪いとか言わずに双方の意見をしっかり聴いて絡み合った糸をゆっくり解いてやった。

そして第三者のCやDにも理解を求め、みんなで問題を解決していった。

 

俺は天才だと思った。

将来は最高のマネージャになれると思っていた。

 

そんなとき、カオリ(仮)がパニック障害だということを知る。

 

授業中だろうと何だろうと、カオリに呼び出されたらすぐに駆けつけた。

マジでいつ自殺するかわからんタイプの子だったからだ。

 

4号棟の屋上で泣いている。

言葉は通じない。意識が朦朧としている。過呼吸を起こしている。

 

俺はこいつと出会ってからハンカチを常備するようになった。

過呼吸を抑え、タイミングを待ち、ゆっくりと言葉を吐かせる。

 

そうか、不安になっちゃったんだな。でも大丈夫だ。カオリの居場所はしっかりあるじゃないか。手首はオロナインを塗ってしっかり包帯を巻いておきなさい。

 

俺にとって、カオリはタスクのひとつでしかなかった。

他にもバイトやら彼女やら授業やらサークル運営やら、いろんなことをやっているんだ。カオリは手がかかるメンバーの一人でしかない。

 

でもだんだんと、カオリに費やす時間が増えていった。

 

当たり前なんだけど、人間の関係性には限界がある。100人の友達と遊ぶのは無理だし、2人くらいなら濃密な超親友になるだろう。仕事を頑張りすぎると家庭のことがおざなりになる。人間関係も所詮、リソースの配分なんだ。

 

深夜に電話が鳴る。ああ、また切っちゃったのか。こらこら。今家か?親御さんいるか?死にたいなんて言うなよ、落ち着くんだ。ハンカチあるよな?

ふう。

 

あるとき俺は、包丁と一緒にお風呂に入る。

100均の包丁ではなかなか俺の身体に傷がつかないことを知る。でもなんか、もうズブズブザクザクやりたくなる。よお、俺の身体は頑丈だなあ、おい、ちくしょう!!

 

煙草を吸い、ウィスキーをやる。ああ、そうだ、睡眠薬がまだあったんじゃないか?

俺は、残っていた睡眠薬を全部一気にウィスキーで飲み干す。

 

どうしちゃったんだ。明日もいっぱいタスクがあるのに。俺は走り続けなくちゃいけないのに。俺には責任があるんだ。甘えてちゃダメだ。ちくしょう!!うああ。

 

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泣いている彼女と、初めて救急車に乗せられる自分の身体を認識する。

なんだ、何が起こってんだ。

 

俺は精神病院にぶちこまれる。

恋をしたら鬱が消えた話(後半)

で、彼女の家にあがった。ふつーのアパートだ。

洋室というだけで、ユニットバスだし俺んちと大差ない。

 

傘をさして、5分くらい歩いただけなのに靴下はぐっしょり、ジーンズも重くなっていた。

彼女は、これ着れるかなーとかいいながら、高校のジャージやらテニスのウェアを出してくれた。

「ありがとう」と言いつつ、もじもじする。

 

「あ、シャワー浴びなよ、風邪ひくから」

はぁ?何お前ビッチなのと思いつつ、でも男物の服が出てこなかったあたりに喜んじゃったりして、おっかなびっくりシャワーを浴びる。

 

彼女も化粧を落とし、俺のあとにシャワーを浴びる。

浴室乾燥機で俺の服を乾かしながら、なんか不思議な気分になる。

 

彼女は「お腹すいたー?」とか言いながらキッチンに向かう。

彼女はすっぴんでメガネをかけて、短パンから生足を出している。目の周りの化粧がなくなったことで、二重がよく見える。

 

んー、とりあえずビールでもあったら嬉しいけど、ないよね?

「お酒?あっ、そうだ君へのお土産があるんだった!」そう言って、フランスのワインを出してくれた。俺へのお土産?

 

ワインに合いそうな軽食を作ってくれて、ふつうに飲み始める。

一緒に飲むの初めてだね、ウチに男の人がいるなんて変な感じ、明日休講になんないかなーとか話しながら、楽しかった。

 

今までのちょっと空いてた溝がどんどん埋められていく。

生まれてから今に至るまでのすべてを語り、とりとめのない話に耳を傾け、お互いを知り合う。

話したいことが止まらなくてあっという間に深夜になる。

 

「泊まってく?」

へ?朝まで飲めばよくね?ってそんな発想、女の子にはないのか。

 

食器を片付け、寝る準備にかかる。

ふあー、とか言いながら超不自然に挙動不審な俺。

 

布団は一組しかない。あ、俺床で寝るよ。

「大丈夫、この前、妹と二人で寝たけど余裕だったよ」

 

えええええええええええええええええええええええ

 

一緒にベッドで寝るんか。お前はやっぱりビッチだ。

オーケー。でも俺は睡眠薬なしで眠ることはまずないから、彼女を寝かしつけてすぐにベッドから出よう。そんで、雨が止み次第さっさと帰ろう。うん。

 

布団に入り、灯りを消しても会話は続いた。

彼女は急に俺に感謝し「今日は最高の一日でした」と言って泣いた。

 

どどど、どうした???

 

「好きなんです」

 

ふぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

頭が真っ白だ。

なんでだよ、お前は俺を、何も知らない、お前は、だいたい、どうして…

 

そうだ、俺は、

俺は鬱なんだ。

 

 

 

知ってる。

図書館で鬱の本読んでたでしょ。

 

えええええええええええええええええええええええええええええええ

 

あああ、ああ。何も言葉が出ない。

 

ユングとか、面白かったよ」

てかお前、ストーカーか。

「違うよ!耳をすませばが好きなの。へへへ」

じゃあ、図書館でずっと俺のこと狙ってたのか。

「そんなんじゃないけど…何読んでるのかなーみたいな」

はあ。

「でも、あたしが支えるし。君もあたしを支えてくれるから」

うん。

 

 

こいつには全部をオープンにしていいかもしれないと思った。

次の日、学校は休講にならなかったけど、二人でサボってカップルになった。

 

それ以来、ほとんど心療内科には行かなくなった。薬を飲まなくても落ち着く、笑える。学校も仕事も楽しくなり、イケイケドンドンになった。

 

こんな普通の話を読んでくれてありがとう。

でも鬱は再発しちゃうし、俺は人生をゴロゴロと転がり落ちていく。